共働き世帯は年々増加している昨今、住宅も夫婦共同で購入することも多いかと思います。
ほとんどの場合、夫婦共同でローンを組み、住宅の所有権も持分割合を決めて登記することになります。しかし、ローンの負担割合、所有権の持分割合によっては贈与認定されるケースがあるので注意が必要です。
例えば、夫婦共同で5,000万円のマンションを購入するとします。夫婦の収入差により、一方のローン負担が3,000万円、もう一方が2,000万円となることもあるかと思います。ここで所有権の持分割合を夫婦2分の1ずつとして登記をすれば、ローンの負担割合と所有権の持分割合との差(5,000万円×1/2-2,000万円=500万円)が贈与とされる恐れがあります。
この場合の贈与税は、婚姻期間が20年以上である夫婦以外は、下記のとおりとなります。
(500万円-110万円「基礎控除」)×20%-25万円=53万円
つまり、ローンの負担割合と所有権の持分割合は双方の収入を考慮して決めなければなりません。
また、住宅の購入時は一般的に頭金を用意することになります。頭金も持分割合に応じて負担していれば問題ありませんが、どちらか一方のみが負担している場合は、頭金の負担額を考慮して所有権の持分割合を決める必要があります。
例えば上記の例で、頭金を500万円支払ったとします。どちらか一方のみが負担しているのに所有権の持分割合を2分の1ずつとしている場合は、500万円×所有権の持分割合が贈与とされる可能性があります。
なお、ローンの負担割合と所有権の持分割合を一致させたとしても、一方のローン返済をもう一方が負担した場合も、負担した返済額相当が贈与認定される可能性がありますのでご注意ください。