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非居住者等から不動産を購入又は賃借する場合の源泉税

2011年10月26日 by seiwa

近頃は我が国の不動産を非居住者や外国法人(以下、「非居住者等」)が所有しているケースも少なくなく、非居住者等から不動産を購入又は賃借することもあるかと思います。
非居住者等から不動産を購入又は賃借した場合は、下に掲げる場合を除き、その譲渡対価又は賃貸料は、源泉徴収の対象となる国内源泉所得に該当します。
不動産の購入であれば、購入者は譲渡対価の10%、不動産の賃借であれば、賃借人は賃貸料の20%を支払時に源泉徴収する必要があります。(注)
なお、国内に恒久的施設を有する非居住者等で一定の要件に該当するものが、その要件を満たしていることについて納税地の所轄税務署長の証明書の交付を受け、国内源泉所得の支払者に提示した場合は、その証明書が効力を有している間に支払を受けるときは源泉徴収義務が免除されます。

(注)租税条約が締結されている場合
我が国とその非居住者等の居住地国との間に租税条約が締結されている場合は、租税条約の規定が優先されます。

<源泉徴収不要>
○不動産の購入
不動産の売買代金が1億円以下で、その不動産を購入した個人が自己又はその親族の居住の用に供するために購入したもの

○不動産の賃借
個人が不動産を自己や親族の居住の用に供するために賃借した場合

外国人、外国法人に限らず、日本人であっても海外勤務等で1年以上海外に赴任していれば、非居住者等として扱われます。法人が不動産を購入し、又はオフィスや社宅を賃借することは多々ありますが、譲渡人又は賃貸人が非居住者等であれば、上記の免除証明書の提示がある場合を除き、その法人に源泉徴収義務が発生します。不動産の譲渡対価はもとより、賃借料も長年借りていればかなりの額となります。徴収漏れで後の税務調査で指摘されることのないよう、留意する必要があります。